一章 雪の中の再会

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秋の北海道は想像以上に寒くて、それが心細さを助長させてまた涙を誘った。 目的も行くあてもなかったため、残りわずかだった所持金で電車を乗り継ぎ、降り立ったのがこの街だったというだけ。 けれど、ここにたどりついたからこそ、蓉子ママに拾ってもらえたのだ。 「じゃあね、ユキちゃん。出張明けにまた来るよ」 「はい、お待ちしています。お気をつけて」 笑顔を見せ、頭をしっかりと下げてお客様を見送った。 ストールを羽織っていても体が凍てつきそうで、急いで店内に戻ろうと踵を返す。 「真白……?」 刹那、雪景色の中に私を呼ぶ声が落ちた。 反射的に振り返った私は、視界に移った光景に息が止まる。 驚愕の表情を浮かべながらも駆け寄ってくる男性の姿が、まるでスローモーションで再生されているようだった。 「真白!」 再び呼ばれて我に返り、咄嗟に店の方へと足を踏み出したけれど。 「待てっ!」 一瞬早く手首を掴まれ、そのまま彼の方へと体が引っ張られた。
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