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一年以上ぶりに再会した旺志さんは、まるで怒りをこらえるように眉をグッと寄せた。
「どうして俺の前から姿を消した?」
真っ先に私に突きつけられたのは、当然の疑問。
答えられずに俯きかけた私の顎が掬われたかと思うと、強引に視線が交わる。
その瞬間、意志の強い双眸に見据えられ、体が硬直したように動けなくなった。
「あのとき、どうしてなにも言わずに――」
「放してっ! あなたとは、もう……!」
姿を見ただけで、息が上手くできなくなるほど胸が苦しくなって。上手く出てこない言葉の代わりに、勝手に涙が込み上げてくる。
彼への想いは欠片ほども褪せていないのだと、一瞬で思い知らされた。
「答えるんだ、真白」
必死の形相の旺志さんは、いつも冷静で落ち着いている彼らしくない。
逃げられない予感を抱いたとき、背後から「ユキちゃん?」と呼ばれた。
「お知り合い?」
「いえ……」
「真白の婚約者です」
首を振った私を余所に、旺志さんが蓉子ママを見る。
「違います!」
私は咄嗟に否定したけれど、ママはなにかを察したようだった。
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