第3章 八幡原でバラバラ?

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第3章 八幡原でバラバラ?

西暦1561年09月10日。 この日は村上義清が予言した通り 八幡原は濃霧となりました。 武田信玄「何だか嫌な予感しかしないね…。八幡原でバラバラなんて…事にならないと良いんだけど…」 諏訪勝頼「俺は父上の役に立ちたいから強くならなければならない…」 諏訪勝頼(すわかつより)…武田信玄と諏訪頼重の娘である廉華(れんか)との間に産まれた息子ではあるが15歳で元服したばかりであり尚且つ初陣である。 武田義信「15歳になったばかりの小僧が黙っておれ!武田軍に参加する事すら許されんくらいだと言うのに…」 武田義信(たけだよしのぶ)…武田信玄と三条なつみとの間に産まれた嫡男であり23歳になったばかりである。 武田信玄「八幡原でバラバラになっては困るんだけど義信、異母兄なんだから勝頼の支えになる気はない?」 すっかり八幡原でバラバラになりかけている武田軍ではありましたが… そこを突くかのように濃霧が消え、 目の前に現れたのは… 武田信玄「出たー! 幽霊…じゃなくて謙信!」 妻女山に布陣しているはずの上杉軍 13000でございました。 武田義信「…手詰まりか…。」 諏訪勝頼「武田の嫡男が諦めるのですか?俺は諦めませんよ?」 武田信繁「義信、勝頼が申す通りだ。 武田の血を受け継ぐのならば最後まで運命に抗え!取り敢えず行くぞ!死ぬ気でお館様を守れ!」 八幡原でバラバラになりかけていた武田軍を纏めたのは… 武田信玄「…さすがは信繁よ。八幡原でバラバラになっては勝てる戦も勝てぬからね…」 武田信玄の同母弟・信繁でした。 その頃、裏を掻かれた妻女山の啄木鳥部隊…ではなく別働隊は… 武田信廉「…急いで下山してくれ…! 本隊が危機的状況となっている。」 急使として本隊の危機的状況を伝えに行った武田信廉と何とか合流…。 飯富源四郎「…急がなければお館様の息子達は仲が悪いから案じられてならぬのよ…」 飯富源四郎率いる12000騎は、 八幡原で死闘を繰り広げる本隊を救出するため速度を上げて妻女山を下山しておりました。 その頃、 飯富源四郎が案じていた異母兄弟は… 武田義信「…本庄繁長か…」 本庄繁長「義信殿、お命頂戴する!」 21歳にして上杉の鬼神と呼ばれる戦の神に愛されている本庄繁長と相対しておりましたが… 諏訪勝頼「…上杉の鬼神が我らの相手をしてくれるとは血が騒ぐ…!」 事の重大さを知る由もない諏訪勝頼が武田義信の気持ちを乱すので普段は冷静沈着な義信も怒りで震えてしまいそうになるくらいな状態でした。 武田義信「だから…戦を知らぬ小僧は引っ込んでおれと申したではないか?21歳にして鬼神と呼ばれる男に初陣であり元服したばかりのそなたが勝てるはずないではないか!」 武田義信が諏訪勝頼を突き飛ばすと… 次の瞬間、諏訪勝頼が立っていた場所に本庄繁長の刀が突き刺さっていました。 諏訪勝頼「…助けてくれたのですか?」 武田義信「一応、我らは… 父を同じくする兄弟だからな…」 次の瞬間、 本庄繁長「では…兄弟仲良く討ち果たす事にするか…。」 武田義信「勝頼は世間知らずであるからこの私が守るより他あるまい。」 八幡原でバラバラになった異母兄弟が1つに纏まろうとしていたその頃… 甘利信忠「本庄繁長と同い年であるから鬼神と呼ばれる男を討ち果たし…お館様の御子息であるお2人を守り抜きましょう。」 武田義信「助かった、さすがは甘利虎泰の血を受け継ぐ男よ…」 甘利信忠「お誉め頂きまして光栄です。では…参ると致しましょう…。」
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