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カレンとジュレアンは一段落すると、仰向けになった。息を整えながら何かの満足感を得ている。
「王女様」
シーモベがジュレアンを抱き起す気配。何やら仲良く肩を組み合っている。
「カレン。気はお済で」
ロメオが顔を覗き込む。
「もう。あのようして。抱き起して」
「甘えん坊になったな。もっと甘えて良いんだよ」
そうだよ、甘えるのは愛情表現かもしれない。ラブラブいちゃいちゃドキドキへ直行だ。
・
やはり最初というときは鼓動が早く打つ。それでも、大きなうねりが身体全体に脈打ち始める。
それなのに、どこからか聞こえる声。
「お試しはどうだったかな」
いや。いまが良いところ。お試しとか無料は、そういうふうにして買わせるんだ。
「エブリスタンツ王国では、これ以上見せられない決まりじゃ」
「残念だねー。続きは有料かしら」
「カレンがセイジョに、背後霊の召喚手数料を渡してますから、それが料金です」
「それでは召喚ものか。もっと生々しいところはないの」
「月明りの国なら。転生の場所を変えますか」
「カレンとは相性も良いようだ。ロメオとのこれからもたのしみだねー」
そういうわけで、エブリスタンツ王国でカレンと一緒に生きよう、あと一回。
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