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私はカレンと同体だが、たまに戸惑う。
「ロメオは忙しいからと、最近デートもしないのよ」
~婚約したから、新居探しや仲人のことでも忙しいのでしょう~
年長者として分かる部分だが、カレンには理解できない。
会えない時間が恋心を募らせさせる。この切なさは初めて経験する。
「それよりさ。あの、痛いとか。でも。あれでしょう」
なるほど。男と女として深い仲へなりたいのだ。それでも、初めてのときはどうだったか、などと噂も聞いている。私も若やいで、忘れていた感覚を取り戻したい。
~初体験をお望みなら。積極的にしましょう。任せて~
この時代は女性から深い関係を迫るのは淫乱と思われていたようだ。
「でも、そんなひどいことをロメオもするの。あの、アソコをアレで」
~順序がありますから。そうだ。セイジョ様は助言してくださるかもね~
カレンの教育係みたいな立場だと、ここへきて気づいた。場所によって聖女の意味も違っているようだ。
聖女は姉貴みたいな雰囲気の女性。
「男に任せてたら良いのですよ。女は恋に酔って身を任せる。それが、まぐあいです」
「恋に酔う。ワインかしら」
「もっと強烈なの。唇から身体が蕩けるような。そうだ。守護霊に任せるといいですね」
~こちらへ回ってきたか。それでは、ちょっと試してみよう~
あることに気付いてもいる。カレンのほかにも乗り移れそうなのだ。憑依された側は驚くだろうが、ちょっとの間なら、守護霊かなにかと思う世界。ロメオへ、ちょっとだけお邪魔しようと考えた。
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