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「チクショウ・・・!!悔しいぜ・・・!!」
黒ギツネのクロコペは、見渡す辺り一面の山々の山林が無惨に根刮ぎ伐られて丸裸の醜態を晒す光景に、深い絶望と激しい怒りに震えた。
「ここは・・・!この山々は・・・!!俺達の住処なのに!!
俺達の遊び場なのに!!
俺達の狩りの場所なのに!!
俺達の・・・俺達の・・・
チクショウ!!チクショウ!!チクショウ!!チクショウ!!
人間どもは何の恨みで、この俺達の山々をぶっ壊したんだ!!
俺達が人間どもに何をした?!
ただ、この山々で生きてきた事に、何か迷惑事でもあるのか?!
嫌がらせだ!!人間の嫌がらせだ!!
人間は・・・何処まで我が物顔で侵略してくるんだ・・・!!」
黒ギツネのクロコペは、目から止め処なく滴り落ちる悔し涙を拭う気力も無く只、呆然と立ち竦んだ。
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
バリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリバリ!!!!
ギィーーーーー!!バタン!!
ゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴゴ!!!!
丸坊主の山を揺るがす、地鳴りのような人森を伐り崩す轟音が響いていた。
それは、黒ギツネの耳には森の木々達の断末魔に聞こえていたたまれなくなり、耳を塞いだ。
「なんで・・・なんでこんなことになるんだよ!!」
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