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案内
「これ、運動会の案内」
そう言って、小六になる次男がキッチンのテーブルに置いたのは、運動会の案内プリントだった。
私は振り返ったが、もう次男の姿はなかった。
テーブルの上には、プリントが一枚乗っている。
「親子障害走について」との文字が大きく書いてあって、要は六年生の親子競技についての内容案内だった。
その内容を確認しながら、私はため息を吐いた。
次男とは、高学年になった頃から、こんな感じだった。
必要以上に私とは言葉を交わさず、用件を話したら、すぐに居なくなってしまう。
まあ。
私といても、小言が多くなってしまうのから、しょうがないのかもしれない。
だが、母の私からしてみれば。
次男は、我が子ながら理解に苦しむ子だった。
まず、落ち着きがなく、どこに連れて行っても、私の手を振りほどき、自分の行きたい場所に行ってしまった。
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