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 と、担任の先生に苦笑されながら言われたこともあった。  考えなしのところもあるから、落ちていた石を投げて、通りにあった家の窓ガラスを割ったこともあったし、傘を振り回して、近くを通った同級生に怪我をさせたこともあった。   その度に、私と夫は頭を下げなければならなかった。 「実際に経験して、学んでいくタイプなんでしょうね」  とは、今でもお世話になっている学童の先生の言葉だ。  もちろん、それはそうなのかもしれない。  だが、人様に迷惑をかけてしまうのは、避けなければならなかった。 「スマホ欲しいんだけど」  と言われた時も、私も夫も首を横に振らなかった。  どう考えても、何等かのトラブルを起こすことは目に見えていた。  当然、次男は「なんでだよ!」と癇癪を起し、ハンストまで起こしかけたが、 「今のあんたは、信用できないからよ」  と私が言うと、悔しそうな表情をして私を見ていた。
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