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 だが見も知らない相手に迷惑をかけることは、私達は親として、絶対に避けなければならなかった。  でも、その頃から。  次男は、私達を避けるようになった。  スマホを与えないことも、六年生にもなって学童に預けていることも、何もかも気に入らないらしい。  そこまで考えて。  私は、ため息を吐いた。  きっと、次男は「親ガチャに外れた」と思っているかもしれないが、私も「子ガチャに外れた」という思いがある。  特に長男があまり手のかからない子だったから、「何故次男はこうも手がかかるのか」という思いは、常に拭えなかった。  それでも、私達は親として次男を育て、社会人として世に送り出す義務がある。  そう……「義務」。  この言葉が、今の私を辛うじて支えている。
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