あと一回

当日

　運動会当日は、晴天だった。
　今の運動会は、私達が子どもの頃と違って、午前中で終わるようになっている。
　運動会の時期も九月ではなくて、五月や十月の終わりにやる学校がほとんどらしい。
　運動会では、組体操やエイサー踊り、百メートル走が六年生の出番だった。
「随分、周りと合わせることができるようになってきたな」
　私の隣で、次男の様子を見ていた夫は、感心したように言った。
「当たり前のことが、やっとできるようになっただけよ」
　私は、ため息を吐きながら言った。
「まあ、そうなんだがな」
　私の言葉に。
　夫は苦笑する。
　高校生の長男は、部活動で来ていない。
　確かに、本番に脱走を図った幼稚園の時に比べると、周りの子たちと同じように動けているのは、成長の証だろう。