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(紗矢)
「人生にはリプレイ検証を申請できるチャレンジ制度があります」
道徳の時間に先生が言った。道徳では、正しい電話のかけ方とか、ネットのセキュリティ対策とか、クレジットカードや電子マネーの仕組みや使い方を失敗した例なんか、……生活に必要なルールやマナーを教わる。
中で、チャレンジ制度?
あたしの目はぴかりと開いた。
「不当、不平等、不審。そんな判定に異議申し立てがある場合、覆すことを依頼できる制度です。ただし覆らなかった場合はその権利回数は減っていきます。最少で三回。よく考えてここぞというときに使えるようにしましょう」
一番前の席でノートにコチャコチャ書き込んでいる光くんが見える。クソ真面目というか、メリハリがないというか。んなの、書き込まなくたって絶対忘れないでしょう。
さて、そのチャレンジ制度とやらを利用するにはどうしたら?
何々? 国宝の杏牌屋神社へお参りに? そこの大銀杏さまが判定をくつがえすかどうか検証してくれる?
よっしゃー、完ペキ記憶した!
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