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「さくらさんは、ダメな彼女なんかじゃないですよ」
「あっ」
メガネを外されて
一気に目の前の視界がぼやけ
近い距離にいる
真島くんの顔だけははっきりと見えている。
こうやって
今みたいに
周りなんて見えなくて
真島くんだけが
視界に映れば怖いことなんてないのにな……
「何度だっていいます。さくらさんは、俺には勿体無いくらいの自慢の彼女なんです。だから、いつか俺がアナタの鎧を外します。その、分厚く塗り固められた、自分を蔑むクセの厄介な鎧、をね……」
「真島くん……」
もっと
私に自信があれば。
もっともっと
真島くんの隣に並んでも
劣らないくらいに
何かひとつでも秀でたものがあれば、って
どれだけ
考え悩んでも
きっと解決方法なんて出てこないのに
最近の私はこんなことばかり考えてはいつも自己嫌悪に陥るんだ……
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