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「なにボーっとしてるのよ。ほら、行くわよ。聞かなきゃ!」 「え、え、ちょ」 壁から 少しだけ顔を出して そっと様子を見る上村先輩。 「なに?」 「……あの、今日良かったら一緒に食事行きませんか?さっき、助けてくれたお礼がしたくて……」 声から察するに きっと可愛い子なんだろうな…… 真島くん 食事、行くのかな…… 「今日は残業なんだ。」 「じゃあ明日は」 「明日も用事があって無理かな」 「そう、ですか。じゃあ」 「……悪いけど、いつになっても俺がキミと食事に行くことはないから他の人を誘ってくれる?」 次第に 真島くんの声のトーンが いつもの 聞き慣れた優しくて 安心する声とは違うどこか冷たく 棘のある真島くんの声へと変わったのがわかった。 .
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