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「……お前、本当に彼女いたんだな」 「だからいつも言ってるだろ」 「それで、いつも合コン不参加なわけね」 「俺、見ての通り彼女にベタ惚れだから他の女性に興味ないし、そんな時間があるなら俺は彼女と一緒にいたいんだ。だから、今見たことと聞いたこと周りにも言いふらしておいて」 「はいはい、わかりましたよ」 「じゃあ、そういうことで。行きましょうか」 優しく そっと私の手を引き メガネを外して何も見えない 私のことを慣れた手つきでエスコートしてくれる真島くん。 さすがに このまま 何も言わずに帰るのは 社会人としてはどうかなって思い でも 声を出すと バレる心配があるから あえて声は出さずに 振り返り相手の人に会釈だけすれば 小さく笑みをこぼした真島くんは なぜか添えていた手をギュッと繋ぎなおして会社を後にした。 「……あんな美人、ウチの会社にいたっけ?」 .
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