男死山

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「気が付きましたか? ヤシロさん」  目の前には見知らぬ白い天井と、看護師さんらしき人。助かったのか……? 「山のふもとで倒れているのを、近隣住民が病院まで運んでくれたんですよ」 「あの!」  ベッドから勢いよく起き上がり、看護師の肩をぎゅっと掴む。 「ちょっと! まだ起き上がらないでください、安静に!」  逆にこちらが肩を掴まれて、ベッドに押し戻されてしまった。そしてそのまま、彼女は病室を出て行こうとする。 「あの、もう一人いたはずなんですけど、」  看護師は、こちらを振り返り 「いえ、見つかったのは貴方だけだったそうです」  
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