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――数日後。
コンコン。病室の戸がノックされる。お見舞いか? 母親だろうか。
「どうぞ」
「やぁ、君がヤシロ ワタヌキ君だね」
「……誰ですか?」
「ああ、そんなに警戒しなくていい」
男は、名刺をこちらに差し出した。『月間怪談 編集部 カヤマ タケオ』
「私はね、ちょうど君たちが立ち入った山……男子山の取材をしていたんだよ」
「君たちって……ウサミ君のこと知ってるんですか? 知ってるんですね! 彼は今どこに!!」
男の胸ぐらをつかんで揺すった。彼は、にやりと笑って、
「まぁまぁ、慌てなさんなって。ウサミ君とやらがいる場所に案内しよう。今ならドライブの間、私の小粋なトークもサービスだ」
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