白い墓

「高田くん、パスタってどうしておいしいの？」

高田さんは三回に一回は、仕事と関係ない質問をしてくる。

「後藤さんの好みに合うのではないかと」

「へえ、そうなんだ」

なんかヘンテコだけど、妙に憎めないタイプだ。
銀ブチ眼鏡が似合ってるし、鼻が高いからイケオジなんだけど、全体的に
モサッとしている。　

まあ、無邪気に質問されるのも悪い気はしないかな？なんて思ってたとき。
あることを聞かれた。

「高田くん、彼はなんであんなにいつも怒ってるの？」

と、木口先輩についての素朴な疑問に、俺は率直に返答してしまったのだ。

「馬鹿だからですよ」

　と.....。

「そうなんだ」

と、後藤さんが言ったまではいつも通りだった。

「おーい、そこの馬鹿、
この広告デザインページ、今日中に仕上げたほうがいいかな？」

「え、ちょっと、後藤さん！」

さすがにこれは予想外すぎた。

怒り沸騰になった先輩が......折りたたんだままのパイプ椅子を
後藤さんへとブン投げた。
後藤さんは無事だったが、後藤さんのPCがお亡くなりになって
データが消えた。