白い墓

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「後藤さんダメですよ!店じゃなさそうですよ、 人の家だったらどうするんですか!」 慌てて追いかけて俺までドアをくぐってしまった、そのとき......。 ピーピーピー......ガガガガガ......!!ヴィ―――ッ!!! と、咄嗟に耳を塞ぐほどの不快なノイズが大音量で響いてきた。 《dd;: ,prlblbp93/:.........ゲ....ン...ゴ...言語、解析、解析、解析完了》 《言語、日本、関東、標準語...》 建物の中は、ワンルームのアパートくらいの広さで、一面が真っ白だった。 まったく何も無いのに、どこからかコンピュータ的な音声が流れてくる。 秋の肌寒さが増してきたのに、俺のこめかみに汗が滑り落ちた。 とてつもなくヤバイ予感がしたからだ。 念のために振り向いてドアノブを回してみたが、もちろん開かなかった。 「後藤さーん、俺ら、閉じ込められたっぽいっすよ?」 「めんどうなことになったねえ、これは」 そう言っている後藤さんの顔はまったく驚いていない。 あんた、感情はどこにあんの?腹のなかにでも隠してんの? 《地球人、1名、成人男性、身元確認.......もう1名、解析中、解析中...》 なんというか、この感じ......ちょっと、なんか、洋画でよく観るような? 《男性、1名、女性も、必要、だが、まあ、かまわない、  もう、ここで、閉めよう》 「なに言ってんの?ねえ、なに?」 返答してくれるか謎すぎたが、俺は聞いてみた。 《我々は、地球を、破壊、する、おまえは、連れ帰る、  連れ帰り、解剖し、標本に、する》 とんでもない返答がきた!! 「あんたら、要するに、やっぱり、宇宙人?」 あんたらと言っても姿は見えないわけだが。
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