白い墓

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《正確、には、異星人、破壊、解剖、楽しい、》 「グロい趣味だな!」 《もう1名、解析中、解析中、しばし、待て》 そこで音声がブツンと音を立てて途切れた。 俺は壁にもたれるようにして座り込んだ。 「解剖って、ちゃんと麻酔してくれんのかなあ」 「高田くん、解剖、平気なの?」  後藤さんが隣へと座ってきた。 「だって、逃げれる感じしないし、死ぬなら死ぬで、べつにいいし」 「どうなっても?」 「はい」 「そうなんだ」 「それにしても後藤さんも、この状況で落ち着きすぎですよ」 「高田くんこそ、受け入れるのが早すぎるんじゃないか?」 「いや、俺は、異星人と遭遇するのは2度目ですから」 「え?ほんとに?」 「ほんとです」 「高田くん、ちょっとそれ、聞かせてくれないかな」 「は?」 「聞きたいんだ」 「えぇーっ」 「いいじゃないか、どうせヒマなんだし」 まあ、いいか、と、俺は語り始めた。 右側の顔の傷ができた......事件の前後のことを。
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