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家に帰るころには日が暮れていた。
木造二階建ての一軒家だが、さほど広くはない自宅は、縁側と庭も小さい。
その小さな縁側で、大きな背中の親父があぐらをかいて座っていた。
「修一 (しゅういち) 運動靴はどうしたが?」
もうバレていた。
「玄関に片方しかなかったん、なぜや?買ってやったばっかりやろが」
俺は、ウソがつけない。
だから、正直に言った。
「宇宙人が死んだけん、山に埋めて、その上に運動靴の片方、置いた」
親父が、ものすごい勢いで立ち上がった。
「もうちっとマシなウソつけや!!」
俺は親父に張り倒されて、その勢いで縁側から庭へとフッ飛んだ。
庭の石に頭をぶつけ、そこで意識がなくなり、救急車を呼ばれた。
そして石にぶつけたときの出血が深刻で、そのまま入院した。
父に悪気は無かった。
たまたま飛んだ先に、石があっただけだ。
しかしその出来事は俺を絶望させた。
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