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プロローグ
左手の薬指に光があたってきらりと光る
その眩しさに目を細めて思う「あいつと結婚して良かった」と「出会えて良かったな」と
あの頃の俺には考えられなかった…男と結婚するとか、男の事を好きになるとか…
ああ、家に帰ったらどうしようか、たまには作ってもらおうか…あいつの作るカレーは本当に美味しいのだから
…◇…◇…◇…◇…
side???
『今日は???のカレーが食べたい』
そろそろ帰ろうかと思っていたら
LI◯Eで妻からの可愛いおねだりに少し口が緩む今日は早めに帰ってあいつの好きな野菜ゴロゴロカレーを作ってあげよう
少し前までは考えられなかったこんなやり取りや自分の事を頼ってくれるようになった事がとても嬉しい
…◇…◇…◇…◇…
sideモブ
「ねぇ!今日の係長見た!?」
「見た見た!結婚指輪見て緩んだあの顔!萌えるわ〜」
「誰と結婚したんだろうね?めっちゃ羨ましい」
「めっちゃイケメンだし超可愛いに決まってるでしょ〜」
「でも女の人の話聞かないよね」
『確かに〜』
その言葉に話していた二人は首を振って確かにと同意する
「てことはBL展開…ってこと!?」
ミーハーな一人が全員が思っていたことを代弁する
『ないない』
少し頬を緩めながらもないないとは言いながらも3人は想像してじゅるりとつばを飲む
「まぁめっちゃ食えるけどね」
「妄想で飯五杯は余裕」
「だとしたら受けは絶対」
『係長!!』
声が揃ったことに少し驚きながらもまぁないかぁ、とまたもや同時に首をふる、確かに係長は切れ長の目だが何処か人妻のような雰囲気がある
「まぁ実際そんなことないだろうけどね」
「まぁうちらにしか得ないし」
「でも係長ってあの男子校通ってたらしいよ!?」
『マジか!』
またもや新しい情報に食いつくように聞こうと詰め寄る
「どんな感じだったんだろうね」
「めっちゃ気になる〜」
「君たちいつまで話してるんだ?手を動かしなさいあと五分で休憩に入るから」
ずっと固まっていれば、流石に係長も気に留めたのか、優しい言葉で注意する
『はーい』
3人は聞かれてなかったか?と少し怯えながらも戻っていった
その姿を少し微笑みながら見つめていた彼は『どこで誰にみられているかわからないものだな…』と思いながらアイツがカレーライスを作ってくれると聞いて自分もソワソワしているなと思いつつ
あと5分で上がれる、と思って気を引き締めたのだった。
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