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そんな事を考えながらも強引に引っ張られて半ば引きずられるように歩いているとみんなさっきよりも数段騒がしくなってきた
「抱いて〜」やら「こっち向いて〜」とうるさい通称チワワや我らが同志、腐男子の『会長×副会長キタコレ…うわ〜てぇてぇやっぱ美形×美形に限るわ〜目の保養』と言っている所と、「やっぱ副会長エロすぎ…会長に引っ張られてちょっと困ってるところ…乱暴に抱いて泣く所想像するだけで…うわ、やっべ…」とか言っている変態を横目に会長と壇上に立つ
少し前を見てみると、斜め前辺に俺の親衛隊隊長がいたので、『アイツやっぱ顔良いなぁ…ちょっとでもそのキリッとさを分けてくんないかねぇ』とか思いながらも少し腹黒さのにじみ出るような顔をして微笑む
すると周りの奴らがみんな「ヴッ」やら「あ゙ぁ」とか言いながらトイレに慌てたように駆け込んでいった…
なるほど、俺の笑顔は尿意をもたらすような顔面をしているのか…?それともヌきにいっ…まぁそんなわけないか、王道学園モノでは結構あるあるだが、ここは現実、そうだ現実を見ろ俺の顔はいくら母親似でもそこまでエロくないし、人の好みも十人十色である…でもまぁ今度鏡の前で暗黒微笑しながら見てみよう
などと思っていたら先生の話も終わったらしい
「それで…は、せいと…より、いちょ…の帝翔琉よ…あいさ…ねがいします」
終わる前からすでにうちの会長を出迎える拍手でところどころしか聞こえない、話してくれていたというか進行をしてくださる先生には本当に申し訳ない、そんなことを思いながら割れるような拍手や、所々から聞こえる「抱いてー」などと言う言葉を受けながら我らが会長が話し始めた
会長が話し始めると、突如として静かになる体育館を見るとさっきとの違いに少し笑えてくる
会長の整った横顔を見ながら会長の腹にズンと来る低音の良い声を耳にしながら俺の意識は朦朧としていった
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