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「ふおっな、なんですか?」
少し小声混じりに誰かと思って顔を見れば一安心、書紀の白鳥善であった
安心して「なんですかぁ?」とまたもや眠気が襲ってきたのでぽやぽやと聞く
こんな隙を見せても良いんか?ここは王道学園やぞ、って?大丈夫だ。こいつは誰も信用できないようなこの学園の中で李玖と同じくらい、信用をおける人の一人なのだから。
今ちょいちょいと隣から俺をつついた白鳥善は、昔から俺のお世話係をしていた、一つ上の幼馴染みたいな存在だ。
そして、善の事を一言で表すとしたら、『ゴールデンレトリバー』である。温厚で、無口だけど一度信用した相手にはめちゃめちゃにゲロ甘なのだ。そして、デカい、とにかくデカい俺もまぁまぁ大きい方だが見上げないといけないくらいだ、昔は同じくらいだったのにどこで変わってしまったんだろうか…
まぁそんなことはおいておいてどうしたんだと見上げてみると、少し心配そうにこっちを見ながら
「すい…ねむ、い?…だ、じょぶ?」
と聞いてきた
な、なんて優しいんだ…と思いながらも
「ん、大丈夫ですよ、少し昨日寝るのが遅かっただけですので」
と、本来なら本性を出しても良いのだが、誰が聞いているかも分からないのでしっかり副会長フェイスで返答する
すると、こてっという効果音がついたんじゃないか?という感じで、少し微笑んで善が
「ん、なら…いい…よふ、かしも…ほど、ほどに…若に、俺…が怒られちゃ、う…から」
といった、ヴッ…ギャワイイもうお兄なんてどうだって良い!なんかもう、もふもふしたい…とかいう煩悩を抑えて
「ん、分かってるから大丈夫ですよ、今度からはしませんからそれに私もそこまで子供ではありませんから」と少し微笑んで返す
するとへにゃっと笑って
「ん、なら…いい」
と返ってきたいや、ヲタクたるもの多分またやるけど、でも、この顔の前にはなるべくやらないようにしよう…絶対に、と思った…
まぁ、また徹夜して後悔するのはそう遠くはない未来の話なのだが
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