男女の友情は成立するか否か

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「別に、大したことじゃないんだけどね。同年代の友達ができたから、ちょっと嬉しくて。ほら、あたしって早くから魔導師としての才能に目覚めちゃったせいで、同年代の知り合いが少ないからさ」 「そうなんだ。確かにリリアナのまわりって、年上ばっかりだもんね。リリアナがしっかりしてるから、忘れそうになるけど」 「でしょー。あたしもたまに、自分がまだ十代ってことに気づいてビックリするもん」 「同年代にしか分からない話もあるもんね。良かったねぇ」 「あ、でもルーナのことは、ずっと大好きだからね」 「分かってる! 私もリリアナ大好き!」  そう言ってお互いくすくすと笑いながら、リリアナはルーナにぎゅうっと抱きついた。  年は少し離れているけれど、ルーナはリリアナの大切な友人のひとりだ。  柔らかなミルクティ色をしたふわふわの髪と甘い蜂蜜色をした瞳を持つルーナは、年上とは思えないほど可愛らしい。それでも時折お姉さんらしさをのぞかせて、リリアナが困った時はいつも助けてくれる。そんな彼女に、リリアナはとても懐いている。
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