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私は彼の胸に顔を埋めた。
「ごめんね、私、ずっと誤解してた」
彼は笑って、私の髪を優しく撫でた。
「悪事は全部、彩の指示だった。あの頃の僕は人を見る目がなかった。君のことを今では心から愛してる」
彼の顔を見上げると、その目には優しさと愛情に満ちていた。
「宗介……これからも、私のそばにいてくれる?」
彼は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにその顔が柔らかくほころんだ。
「もちろん、君が望むなら、ずっと」
私たちはそのまま、お互いの温もりを感じていた。新しい一歩を、今度こそ一緒に踏み出すために。
そして、この瞬間が、本当に最後のタイムリープであることを確信した。
その後、私はコンクールでの優勝の余韻に浸る間もなく、次々と舞い込んでくる仕事やインタビューに追われるようになった。長い間夢見ていた瞬間が、ようやく現実となり、私は舞台に立つたびに心からの喜びを感じていた。
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