改善を試みるたびに狂ってしまう私の運命

11/14
前へ
/14ページ
次へ
私は彼の胸に顔を埋めた。 「ごめんね、私、ずっと誤解してた」 彼は笑って、私の髪を優しく撫でた。 「悪事は全部、彩の指示だった。あの頃の僕は人を見る目がなかった。君のことを今では心から愛してる」 彼の顔を見上げると、その目には優しさと愛情に満ちていた。 「宗介……これからも、私のそばにいてくれる?」 彼は一瞬驚いたような顔をしたが、すぐにその顔が柔らかくほころんだ。 「もちろん、君が望むなら、ずっと」 私たちはそのまま、お互いの温もりを感じていた。新しい一歩を、今度こそ一緒に踏み出すために。 そして、この瞬間が、本当に最後のタイムリープであることを確信した。 その後、私はコンクールでの優勝の余韻に浸る間もなく、次々と舞い込んでくる仕事やインタビューに追われるようになった。長い間夢見ていた瞬間が、ようやく現実となり、私は舞台に立つたびに心からの喜びを感じていた。
/14ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加