山小屋にて

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本当に三角の小屋をみつけてしまった。 板を斜めに立てて三角型になっている。 好奇心で中を懐中電灯で照らして覗いてみる。 古いシートが引かれていて、綺麗なほうだった。 その近くに座り、持参したコンビニ弁当を食べて、ペットボトルの 茶を飲んだ。 夜更けになり、望遠鏡を覗き込み、夜空の写真をカメラで撮る。 満足してから小屋へと入ろうとして、足を止めた。 黒髪で長髪の男が、あぐらをかいて座っていたからだ。 無精ヒゲで作務衣を着ていた。 「やあ、俺は鬼だ。勝負するかい?それとも帰るかい?」 低く渋い声だった。 「勝負がしたい」 「ほう、兄さん度胸があるねえ」 「なにしろ、山へきた、もうひとつの目的だからね」 僕は中に入り、男の前であぐらをかいて座った。
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