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死神来訪(実)
全身をすっぽり覆う黒のフード。そこから覗くスカルヘッド。ガイコツには黒い瞳がはめ込まれ、手には大きな鎌を持っている。
ひきこもり歴2年の私がいつものように朝遅く起床し、一階でトイレを済ませて二階の自室に戻ると、そんな怪物がベッド脇に立っていた。
「起きたか、アユミ」
死神と思われるその怪物は、驚いて硬直している私に向かって言った。
「我は死神だ。おまえは死ぬしかない。今、トイレに行ってきただろう。今日中にあと一回 一階に行けば、そこでおまえは死ぬ。なぜ死ぬのかは教えられない。死にたくなくば、あと一回 一階に行こうとは思わないことだ」
私はそこで気を失いかけた。強烈な立ちくらみ。強い貧血。立ってられずその場に座り込むと、死神は部屋の窓から出ていった。
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