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始まり
暗闇に何かが滴っていた。
それは水なのか、はたまた違うものなのか…
ぴちょん、ぴちょん…
誰もいない空間に、水滴の音だけが響く。
「ふっ、ふふっ…ふふふ…」
不意にどこからか、男性とも女性とも言えない中性的な声がした。
笑っているのか、もしくは泣いているのか。
だが確実に分かることは、その人物の左手には、刃物が握られていた。
暗闇の中を月の光が刃物の銀色を照らしている。
これは、アイドルとオタクのその間にある、嫉妬や怒り、憎しみの物語である。
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