狂愛の持ち主

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狂愛の持ち主

「お次のお客様こちらでーす」 人気アイドルSEVEN SHOWTIMEのライブ後、握手会。推しの活動に携わる仕事ができてるだけでも幸せだけど。やっぱ同担拒否はきついなぁ。 「きゃー!!こんにちわぁ♡やっぱ翔くんはぁ、私のものだよね☆」  意味不明な日本語。唐突にそれを普通伝えるか…? 「あはは!可愛いミリコちゃん。君のものになれるなんて幸せだよ。」 営業スマ〜イル。流石は翔。切り抜けるのも慣れてるなあー ミリコとは、SEVEN SHOWTIMEのファンの名前のことだ。最近公式から発表され、ファンクラブでも話題になっている。 「嬉しいぃ!だーいすきだよ、翔!」 ギュッッッッと手を握りしめ、気色悪いほどの笑顔で翔を見つめる彼女は、 音坂美峰。迷惑客として常連だ。 「そろそろ、お時間ー」 「あらあらぁ。私と翔の時間を邪魔しないでぇ?じゃ、またね!愛してるよ〜♡」 ー握手会終了後ー 「お疲れ、翔。」 「あぁ、玲奈か。」 実は私、後藤玲奈と伊春翔は幼馴染だ。 「また来てたね。美峰さん。」 「だな。でもアイドルたるもの、無視はできない。」 「やっぱ昔から変わんないねー」
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