始まり

1/1
前へ
/2ページ
次へ

始まり

暗闇に何かが滴っていた。 それは水なのか、はたまた違うものなのか… ぴちょん、ぴちょん… 誰もいない空間に、水滴の音だけが響く。 「ふっ、ふふっ…ふふふ…」 不意にどこからか、男性とも女性とも言えない中性的な声がした。  笑っているのか、もしくは泣いているのか。 だが確実に分かることは、その人物の左手には、刃物が握られていた。 暗闇の中を月の光が刃物の銀色を照らしている。 これは、アイドルとオタクのその間にある、嫉妬や怒り、憎しみの物語である。
/2ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11人が本棚に入れています
本棚に追加