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エアコン代がやばい
「氷おにぎり」
つぶらな瞳でそう呟いてくる女子が1人。
…いや、正確には「女子」ではない。
“彼女”は限りなく人間に近い姿をした「妖魔」という存在であり、国際退魔師協会でも危険視されている“A級”のモンスターである。
「モンスター」というと聞こえが悪いかな。
僕にとって彼女は友達で、一緒に暮らしているルームメイトでもある。
…もちろん、“妖魔と一緒に暮らしてるなんていうことは”、口が裂けても言えない。
妖魔は人に害をなす存在として世界的に認知されており、国際的な法律に基づいて育成された「退魔師」と呼ばれる専門的な知識を持ったハンターに、討伐、——及び、粛清される宿命にあるからだ。
“妖魔対策法”によれば、妖魔を匿ったり、妖魔の討伐を阻害してしまうような行為を働いてしまえば、最大で10年以上の懲役に科されてしまう可能性もある。
つまり、僕は今絶賛罪を犯している状況にある。
妖魔と暮らしているという事実を口外してしまえば、僕のキャリアも人生も、全ておじゃんになってしまう可能性があるっていうことだ。
幸い、僕の家族や友達にも、そのことをまだ知られてはいないが。
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