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「果林さん、良いですか」
「よ、良いとはどのような意味でしょうか」
「私の唇に紅を付けても良いでしょうか」
「・・・・・え」
果林は唖然としたが気付かぬうちにコクリと小さく頷いていた。宗介の薄い唇が果林のぽってりとした唇に重なった。それは軽く触れる程度だったがしっとりとした温もりが名残惜しそうにゆっくりと離れた。
(宗介さんってまつ毛、長いんだ)
2人の視線が絡まり果林の頬は色付いた。
「ありがとうございます」
「あ、はい」
「では企画室に戻りましょうか」
「は、はい」
宗介の唇には淡い小町紅が残り果林の心臓は今にも破裂しそうに脈打った。
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