7人が本棚に入れています
本棚に追加
さて、そんなゆるゆるのアラサー男性、高坂伊織さんと高校一年生の私、宇月冬雪がいるのは、ある小さな雪山の中腹――その辺りにひっそりと在する、和の趣漂う素朴な庵です。
ところで、私達は親子でも兄妹でもない――言ってみれば、血縁関係などまるでない他人です。そんな私達が、どうしてこうしてひとつ屋根の下で暮らしているのかというと……いえ、ごめんなさい嘘つきました。一緒に暮らしているわけではなく、ただ私が通っているだけです。平日の放課後もしくは休日、およそ週に4日ほど通っているだけです。
尤も、私としてはこれでも足りないくらいなのですが……まあ、あまりに頻度を増やしすぎて煙たがられてしまっては元も子もないですし。
最初のコメントを投稿しよう!