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古い人間?
「――うん、凄く美味しいよ冬雪ちゃん」
「……ありがとうございます、伊織さん」
それから、数日後の休日にて。
柔らかな陽が優しく照らす昼下がり。
疎らに雲が漂う青空の下――何とも心地の好いお庭にてスープを一口含んだ後、穏やかな微笑でそう口にする伊織さん。その言葉に偽りがあるとは思えませんし、とても嬉しくはあるのですが……それでも、私が伊織さんの料理を食べた時の私の感動にはやはり及ばないような気がして、些か悔しい気持ちは否めません。……全く、家事はほぼダメダメなのに、料理だけは玄人跣なんですよね、この人。
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