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友情の絆
俺とイライザが語学学校に通い出して、数ヶ月が経った。
最近じゃディランが居なくても、彼女と意思の疎通ができる。
それくらい俺達はフランス語をマスターし始めていた。
帰り道。
この日も俺はイライザと帰っていた。
「センヤ、凄いわね。センヤのケーキ、大好評よ」
「あ?ディラン達にか?」
「違うわよ!お店に来るお客様達に!…あーあ、一緒に修行を始めたのに、センヤには随分、差を広げられちゃった」
あ?
何かおかしいな。
俺のケーキが店頭に並んでるなんざ誰からも聞いた事がねー。
俺は思わずイライザを壁ドンした。
彼女は何を勘違いしたのか、俺に抱きついてくる。
「もう、センヤ!積極的!でも、私なら、いつでもオーケーよ♡」
そう言って、イライザは何を思ったのか、胸元のボタンに手を掛ける。
「ちげーよ。こんな所で服、脱ぐな。あんたに訊きてー事がある」
「なあに?浮気なんかしていないわよ?」
「そうじゃねー。俺の作ったケーキが客に好評だって、どういう意味だ?」
「えー?だって、それは…」
イライザが何か言い掛けた時、俺は背後に殺気を感じた。
咄嗟に彼女を抱えて、地面を転がる。
「キャアー?!何?!センヤ!」
俺の上に乗る形になったイライザは気付いてねーが、つい今まで俺達が居た壁際には、野郎が刃物を突き出していた。
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