18人が本棚に入れています
本棚に追加
鎖が、その拍子に切れ、ロケットペンダントが地面に転がった。
野郎の気が、一瞬、ロケットペンダントの方へ逸れる。
俺は、その隙を見逃さなかった。
一気に間合いを詰め、野郎が刃物を持ってる手首を片手で掴み、もう片方の手で、野郎の胸ぐらを掴む。
そして、手首を離さねーようにして、野郎の身体を、俺の頭の上を通るように、持ち上げ、投げ飛ばした。
グギッ!と野郎の腕から、骨が折れる音が聞こえ刃物が地面に落ちる。
野郎の手首を固定することで、投げ飛ばされた時腕が無理な体勢になったからだろ。
ま、それを狙って投げたんだが。
俺は片足で地面に落ちた刃物を遠くに蹴った。
「痛えよお!痛えよお!救急車、頼む!呼んでくれよお!」
仰向けに倒れた野郎は大声で悲鳴を上げる。
「るっせ。あんたは、ちと黙ってろ」
俺は野郎の胸ぐらを掴んでいた手を拳に変えるとその鳩尾を殴りつけた。
気を失ったのか、野郎の手首から力が抜け、静かになる。
逃げるなら、今の内だ。
そう思って、イライザの方へ視線を遣ると、彼女は地面に座り込んだまま、ロケットペンダントを開いていた。
「センヤ…この子、彼女…?」
俺は呆然とロケットペンダントを見ているイライザの身体を起こそうとした。
最初のコメントを投稿しよう!