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帰った時には、もう皆、寝静まってたから、ディランの居室まで行くのは憚られたが、マールさんの居る所じゃ何となく訊きづれー。
俺はディランの部屋の前まで行くと、小さくドアをノックした。
もう寝てるかと思って引き返そうとした時、部屋の中から何故かイライザの声が聞こえてきた。
「開いてるわよ」
「おい!店主だったら、どうするんだ?!」
…2人して何やってんだ?
俺はドアを開けた。
「あ…センヤ」
「良かった…。店主だったら2人してクビになってたよ」
気まずそうなイライザと、ホッとするディラン。
やっぱ、この2人、お似合いだよな…俺とより。
「こんな時間に2人で何してるんだ?」
俺が咎めるように言うと、イライザは俺に何か投げつけ、部屋を出て行った。
俺は咄嗟にキャッチする。
見ると、鎖の部分が新しくなっている、見覚えのあるロケットペンダントだった。
ディランが苦笑する。
「イライザに頼まれたんだよ。センヤの大切なものを自分のせいで壊してしまったから、直して欲しいって」
俺はディランの言葉に、ロケットペンダントを開けてみた。
香澄の可愛い笑顔が変わらず入っている。
イライザ…。
俺の気持ちを尊重してくれたんだな。
俺はロケットペンダントを閉じると再び首から下げた。
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