新しいスタート

1/2
前へ
/55ページ
次へ

新しいスタート

それから数日後。 俺は日本に帰国する準備を整え、日本便の出るフランスの空港内に居た。 香澄達3人には、今日、帰国することは伝えてあるから、空港まで迎えに来てくれてる筈だ。 「本当に行ってしまうのね」 どこか寂しそうにイライザが言った。 夜の9時。 直行便で、概ね14時間。 日本は、ここより7時間進んでいるから、日本に着く頃には、夜の6時位になっているだろうな。 イライザは、わざわざ俺に別れを告げる為に、語学学校を休んでくれたらしい。 と、息を切らしてディランが、やってきた。 「良かった!間に合った!」 「もうディラン、遅いじゃない!帰り道、1人で歩かされるかと思ったわよ」 「ごめん!店の片付けをしてたから」 ディランも今は店員として働いている。 「後、センヤくん。店主から伝言。写真の彼女と再会したら、かつてケーキ屋だった店員が宜しくって言っていたって伝えてくれって」 「クイ」 「えっ?何で店主がセンヤの彼女を知ってるの?」 イライザは、よく分かってねーようだったが、俺は構わず、2人に別れと礼を言う。 「ディラン、イライザ。メルシー。あんた等2人がいなかったら、俺は夢を断念してたかもしれねー」 2人「センヤ…コッチこそ楽しかったよ」
/55ページ

最初のコメントを投稿しよう!

14人が本棚に入れています
本棚に追加