14人が本棚に入れています
本棚に追加
俺はディランとイライザ、2人とハグをした。
「あんた等2人も上手くやれよ」
「えっ!?」「く、クイ」
イライザは顔を紅くして固まり、ディランは、そんな彼女を照れながらも腰を引き寄せた。
「ディラン…」「イライザ…」
見つめ合う2人は、そのままほっとくとキスしそうな勢いだ。
俺はワザと咳を1つして、2人がコッチを向き直るようにした。
「じゃあ、俺、そろそろ行く」
「センヤ、元気でね!」
「センヤくん、僕もキミに負けずに、お客様達が笑顔になるスイーツを目指して頑張るよ!」
大きく手を振る2人に、俺もニヤリと笑いながらウインクして、片手を挙げて、応える。
そして名残惜しい気持ちを振り切って歩き出した。
後ろから2人のだろ、視線を感じながら、俺は空港の人波に呑まれていった。
ディランとイライザ、そして、師匠…。
色々あったが、俺は3人と過ごした時間は、厳しくも楽しく、実りあるものだったと思った。
「アテンションプリーズ、アテンションプリーズ。当機は間もなく離陸致します」
飛行機に乗って、しばらくすると、放送が掛かった。
やがて飛行機は滑走路を滑り、宙を浮く。
見えねー筈の空港の中から、ディランとイライザが見送っているように俺には見えた。
完
最初のコメントを投稿しよう!