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あ?
何で、クロワッサンを2つに分ける事が、イライザが俺に惚れてる事になるんだ?
俺は訳が解らねーまま、2つにちぎれたクロワッサンの1つを、今度こそイライザから受け取った。
「センヤくん、モテそうだもんなぁ」
ディランは日本語で、まだそんな事を言っている。
「会ったばかりだ。流石に、好きも嫌いもねーだろうよ」
「まあ、気付いてないなら、それも面白いから良いけど」
?
俺はディランの笑みを横目にクロワッサンを齧る。
ディランとイライザも、食いながら和菓子屋に向けて歩き始めた。
『センヤ、美味しい?』
道すがら、隣に来たイライザが俺の顔を覗き込む。
流石、本番のクロワッサンは、うめーな。
俺は口の中のクロワッサンを飲み込んでから、イライザに応えた…つもりだった。
「ああ。さっきのことは怒ってねーよ」
と、ディランが咳き込みながら、笑い出す。
「違うよ、センヤくん!美味しいかって!」
「あ?ああ…クイ」
『良かったー!ってディラン、何、笑ってるの?』
『な、何でもないよ!2人は早くフランス語を習得した方が良いね!』
何か、ディランとイライザ、楽しそうだな。
俺は香澄との事を思い出し、無意識にロケットペンダントに手を触れた。
ディランの言ってた和菓子屋は、生菓子、どら焼き、大福など…後、あんこも、粒餡と、漉餡が売られていた。
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