14人が本棚に入れています
本棚に追加
「この辺は夜は治安が良くないから2人とも気を付けて」
ディランは、俺とイライザ、それぞれに忠告する。
そういや、前回、フランスに来た時も鈴木と山村が、刃物を持った野郎共に絡まれてたな。
あの時は野郎共が、2人に気を取られていたから不意打ち出来たが、これから気を付けた方が良いだろ。
『センヤ、帰りは一緒に帰りましょ?』
イライザが何やら不安気に言ったことをディランが俺に伝える。
まあ、女1人じゃ、尚更、危ねぇよな。
それに、帰る先は同じ場所なんだし。
「クイ。だが、俺が危なくなったら、走って逃げろよ」
「メルシー、センヤ!」
『クイ』だけ通じたイライザが俺に抱き着こうとする。
日本人と違ってスキンシップが多いよな。
だが、大福が潰れる可能性があったから、俺は咄嗟にイライザから距離を取った。
「センヤ?」
イライザは悲しそうな面になる。
俺はディランに頼んで通訳してもらうことにした。
「いや、大福が潰れるから」
ところが、ディランは。
『センヤはイライザの胸が大きいから、照れるって言ってるよ!』
と、ワザと嘘をついたが、俺もイライザも、それに気付く筈が無かった。
『もう!センヤ、可愛い!』
何故か、イライザにバシバシ腕を叩かれたが、笑っているし、怒っている訳じゃ無さそうだ。
最初のコメントを投稿しよう!