キミと未来の影を重ねて

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「次の試合に勝てたら俺たちが優勝だ!」 一昨日の準決勝の後「おめでとー!」「かっこよかったよー」と応援に来ていたクラスメイトや友人から口々に言われたあと、キャプテンの(なぎ)くんがチームメイトに話して「おー!!!」と他のメンバーから鼓舞した声が上がる。 そして2日後の今日夏の暑い日差しが照りつける中、甲子園球場は熱気につつまれていた。 あたしたちの西神(せいじん)高校対悠翔(ゆうしょう)高校の試合がはじまろうとしている。 この試合は高校野球の山場となる決勝戦だ。 「がんばれ、凪」 この試合のピッチャーはキャプテンであたしの好きな人でもある凪。 チームのエースで、凪が投げるボールは鋭くて力強い。こんな大舞台でもその力は怯むことがない。 あたしは彼の一球一球から目が離せなくなって、瞬きすら忘れるくらいだ。 今日もそんな凪が見れるのを楽しみに全校応援にやってきた。 「みんな、声出して応援してくぞー!」 応援団のキャプテンが声を出すのであたしたちも「おーー!!!」と続けて声をだしていく。 凪に、野球部のみんなにこの応援が届くように。 みんなが自分の力を全部だせますように……そう祈ってりながら声を出してるとプレイボールの声が響く。 山場の決戦がいざ始まる……!
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