37人が本棚に入れています
本棚に追加
「好きだったよ、俺…お前の事。中学の時、ずっと好きだった」
沼田の真っ直ぐな目に、声に、心が震えた。
泣いているのはきっと、あの頃の私。
「私も好きだったよ。沼田の事、中学の時…ずっとずっと、好きだったよ」
良かったね、私。
好きな人に好きでいて貰えてたんだね。
「日吉」
「ありがとう沼田。元気でね」
「……幸せでいろよ。ずっと」
沼田を残してエントランスを出る。
タクシー乗り場まで真っ直ぐ、振り返らない。
大粒の涙が頬を伝って零れ落ちていく。
行き先を告げたタクシーが小さくBGMを流しながら、空いた道を空港に向かって進む。
最初のコメントを投稿しよう!