健史の視界に映る仁美

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   しかし、知り合いにはなれない。 (あの時のiPhoneはどうしましたか?) (鼻セレブのティッシュありがとうごさいます)  何度もそう言いたくて、傍まで寄るも言えなかった。どう足掻いてもただ近所に住んでいる見知らぬ人にしかなれない。接点を持つことを諦めた。それにこれ以上エスカレートすると職を失う危機も感じていた。   ──どうか、君が指輪を嵌める日まで、ただ好きでいさせてください。    俺は、心の中でそうつぶやいた。
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