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「彼のインスタ見ていい?」
彼女はパソコンではなく、スマホのInstagramのアプリから見せてくれた。
「お菓子屋さんなの?」
「はい。和菓子屋さんです」
Instagramから、お店のWebページのURLリンクをタップする。まんじゅう五十個から配達可を見る。閃いた。私は自分のiPhoneから店の名前で検索してアクセスした。代金は私のカードで払い、配達先の住所をホテルにし、部屋番号を彼女の部屋にして明日の十一時まで、必ず部屋へ持ってきて欲しいと書いた。
「よし、きらりちゃん、まんじゅう注文したよ!ここへ届けてもらおう。駄目ならその時はその時で!」
「……えっ、えーっ?ほ、本当に注文しちゃったんですかぁ?」
きらりちゃんは忙しなく瞬きをしながら、私のiphoneの画面を覗き込む。
「うん。でも私の名前だから大丈夫。持ってくるまで絶対気づかないから、怪しまれないよ!」
「……じゃ、じゃあ、お金は払います!」
「いいの。これはね、サンタクロースへのクリスマスプレゼントだから!」
酔っているせいか、すっかり気が大きくなっていた。それからきらりちゃんが話すYouTubeのこと、会社のこと、家族のことを面白く聴いていた。
時計の針が十一時を指した頃、サンタクロースは言った。
「そろそろ彼氏さんのところへ戻ってください。私が刺されます!」
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