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気持ちよかった……
そんな翼の姿にクスリとする疾風。
「やっぱ、そうだったんだねぇ。 気持ち良すぎて嫌がってたって訳ね。 もう、『イく!』っていう暇もなくイっちゃったし。 お兄ちゃんは、もうすっかりこういうの大好きになっちゃたって訳だ。 仕事してるより、家で僕とこういうことしていた方がいいんじゃない? ま、でも、僕は学校に行かなきゃだけどね。 どうする!?」
そんな問いをされたって、仕事は行かなければならない。 そう翼にとっては仕事しなければ生活が出来ないのだから。
「ゴメン……疾風……それだけは聞けない言葉だ。 どんなにお前の言うことを聞いてやってもいいと思ってるが、仕事しないでは無理なことだ……。 俺は仕事しないと生活が出来ない……」
「じゃあさぁ、家に戻ってくればいいじゃん! そうすれば毎日だって出来るんだしね」
翼は疾風の子供らしい考えにため息を漏らす。
「お前さぁ、まだまだ、大人になってからのこと分かってねぇよな?! そういうところはまだまだ子供なんだろうけど。 大人になったら、年金とか税金やらなんやらって払わなきゃいけないんだよ……それに……俺が一人暮らししたのだって他にも理由があるんだからな……」
その翼の言葉に首を傾げる疾風。
「じゃあ、なーに? 他の理由って?」
「だからそのな……」
そう言いにくそうに顔を赤くしながら、疾風から視線を反らすのだ。
そして翼は意を決したのか、疾風の方に顔を真剣に向けると、
「実家じゃ、こうやってゆっくりこういうこと出来ないだろ? だから、俺は一人暮らしして、お前のことを呼んで二人きりの時間を過ごしたかったって訳……」
その翼の言葉に疾風は目を見開くと、
「やっぱり、お兄ちゃん大好き!」
疾風は翼のことを抱き締める。
「あ、ま……そういうことだからさ……」
「僕達のことを考えて一人暮らしにしてくれたんだもんね。 お兄ちゃんも僕のこと好きだっていうのが、よーく分かったよ」
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