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「ちょっ、やまびこおまっ! 嘘吐くな! 俺浮気なんてしたことないだろ!?」
【そんなことありません。好男さんは浮気常習犯です。とんだすけこましです。どすけべ大魔王です。歩くエロ本です】
「やまびこぉー!!」
好男は遠くの山に向かって怒鳴りつけた。返事はない。隣からは、ドス黒いオーラがむんむんと漂ってくる。怖くて横を向けない。
「そうか……やっぱり、最近妙にコソコソしてると思ったら、外で女作ってやがったんだな」
「いや……俺別に、コソコソなんて……」
「嘘吐け!」
好男は麗子に胸ぐらを掴まれた。
「毎晩コソコソと出歩いてたじゃねーか!」
「そ、それは……もうこれ以上誤解されたくないから言うけど、来月の麗子の誕生日のためにアルバイトを、」
「そんなベタな嘘が通じるか! 恋人がいるのにコソコソ出歩いてる時点で、疚しいことしてるに決まってるだろ!」
「そ、そんなこと言ったら! 麗子だって最近連絡もせず朝帰りすることが多かったじゃん! それだって疚しいってことになるよね?」
【麗子さんは疚しいことなどしていません。彼氏一筋のスーパーピュアガールです】
「やまびこぉ! お前には聞いてねぇー!」
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