真実のやまびこ

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 好男は頭を抱えた。せっかく楽しい思い出ができると思っていたのに、変なやまびこのせいでもうめちゃくちゃだ。  麗子は相変わらず鬼の形相で胸ぐらを締め上げてくる。好男は麗子の腕を振りほどき、すごい勢いで額を地面に擦り付けた。 「麗子! 嫌な気持ちにさせてしまってごめん! でも、俺本当に麗子のことを女性として愛しているし、浮気もしていないんだ! 頼む、信じてくれ……」 「……本当に? 信じていいの?」 【ダメです。信じてはいけません】 「だーから! お前は黙ってろやまびこぉ!」 「うーん……本当に本当?」  決死の土下座が功を奏したのか、麗子の態度に少しだけ軟化の兆しが見えた。 「ほ、本当だ。神に誓う」 「もしこれ以上何か隠してたら、別れるから」 「隠し事なんて一つもない! これまでも、これからも」 「……やまびこさんに聞いてもいい?」 「え゛!? いや、それは……」 「聞いてもいい!?」 「は、はいぃ!」  麗子の圧に押されて止むを得ず了承する。こうなったらもう、やまびこを信じるしかない。 「やまびこさん。好男くんは私にまだ何か隠し事をしていますか?」  緊張で好男の喉がごくりと鳴る。勿体つけるような少しの間ののち、やまびこは答えた。 【好男さんは麗子さんに隠していることがあります。それは、彼が実は宇宙人であるということです】
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