真実のやまびこ

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「宇宙人!?」  突拍子も無さすぎる返答に、好男と麗子の声が重なった。  やまびこはなおも続ける。 【好男さんは実は銀河の果てにある『アシクッセーナ星』の第一皇子で、足がとても臭いです。元々足が臭い民族であるアシクッセーナ人の中でも歴史上最強の足臭と呼ばれ、かの有名な宇宙大戦『ミズムッシの戦い』で大きな戦果を上げ、皇帝から『ムレムレ大将軍』の称号を授かり……】 「嘘でしょ!? 普段清潔ぶってるくせに、そんな秘密を隠してたなんて……サイッテー!!」 「信じるの!? 嘘に決まってるじゃん! なんだこのやまびこ!」 【あはははは!】 「何わろてんねん!! お前のせいやぞ!!」  その後も麗子の怒りはとどまるところを知らなかった。大声で好男を非難し、罵倒し、今にも殴りかからんばかりの勢いだった。  好男はそんな麗子を必死に宥め続け、額が擦り切れて無くなりそうなほど土下座を繰り返した。  そんな時「君たち、まだ居たのかい」と上から声が降ってきた。  顔を上げると、やまびこのことを教えてくれた例のおじさんが麗子の後ろに立っていた。好男の言葉に、麗子も後ろを振り向いた。  おじさんはこの殺伐とした空気に全く気付いていないような平和で朗らかな声で言った。 「どうだい? 面白いだろう、ここのは」 「え」と、好男と麗子のどちらともなく声が漏れた。 「デ、デタラメしか言わない?」 「そうさ。うちの温厚で優しい嫁さんのことも、酷い言われようだっただろう?」
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