お願い、再び

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 二日目の売り上げは前日の2倍になった。 「スゲーな。すでに前半は完売!追加で材料買ってきて午後の分を、急遽補充したのに三時前にはまた完売だった。」  二日目が無事に終わって片付けをしながら売り上げを集計しつつ、二人でそんな話をした。 「やっぱスゲーよ。ハヤト!」  は?凄いのは僕じゃないし。凄いのはずっと野々村君があんな風にイケメンで爽やかな接客で人を集めたお陰だ。  僕はサブとして動き回っただけだし。 「やっぱりお前と組んで正解だったな。」  そうだろうそうだろう、あんなにそばで素敵な君を地味な僕がサポートして、引き立ててやったんだから。地味で根暗な僕がいればより一層引き立つに決まってる。  各クラスのブースの売上ランキングと、アンケートによるイイネランキングが発表された。なんとうちのクラスのカフェが飲食店部門の一位になってた。 ○接客がサイコーだった。 ○ウエイターさんがカッコよくて気が利いてよかった。  圧倒的な票を集めたのは野々村君の人気票だろう。  だからアンケートなんか見るまでもない。 「お疲れ様!サイコーだな。ハヤト!俺たち最強コンビだな。」 「俺たちじゃないだろ?俺の間違いじゃないの?」 「なに言ってんだよ!これ見ろよ。」  野々村君が僕に見せてきたアンケート。しぶしぶ目を通すと驚いた。 ○二人のウエイターさんがよかった。 ○絶妙なコンビネーション! ○二人ともイケメンでよき。 ○二人の店員さんがとても親切でよかった。  フランクフルトや飲み物の評価より、僕たち二人のコメントが多くて驚いた。 「俺、パクっちゃったもんね、ハヤトの接客!」 「へ?」 「お前凄いよ、ホスピタリティーって言うの?マジ神!」  そんなの思ったこともなかった。 「マジでお前のサポート無しには成り立たなかったし。本当、よかったよ。ありがとな。」
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